第9回女性による女性のための相談会の報告
女性による女性のための相談会実行委員会
生きていくために欠かせない米をはじめとする食料品の急激な値上がり、電気、ガスなどインフラ・エネルギーの大幅一斉値上げなどが続き、生活が追い詰められています。政府が特段の対応策を示さずにいることで、社会には生活が立ちいかなくなる人々が溢れています。
そもそも女性は社会の構造的差別により、非正規雇用の67.9%が女性(2024年労働力調査)であるために正規雇用に比べて賃金が低い状態にあります。世間では春闘真っ最中で、多くの大企業が賃上げする一方で、女性全体では実質賃金が下がる傾向にあります。
シングルマザーは困窮する中で食事の回数を減らし、独身女性は賃金の低さから貯金もできずに歳を重ねます。その結果、年金が5万円に届かない人が大勢います。家庭や職場での暴力やハラスメントによって、働けなくなったり、精神や身体に障がいを持つ人などは、脆弱性が高く収入も少ないために、さらに生きづらい状況に置かれています。
様々な困難にがんじがらめになっている状況を解決するためには、定期的に相談できる伴走者、チームカウンセリングなどが必要です。「女性による女性のための相談会」では、相談(労働、生活、家庭/家族、心とからだの健康、育児、子ども、妊娠・出産など)を受けるだけでなく、カフェでおしゃべりしたり、マルシェで野菜や加工食品、日用品を選んで持ち帰ることができます。お花も用意しています。相談会に足を運ぶ女性の多くが「孤独」を感じており、物資支援と合わせて継続的に悩みを相談できる相手や居場所を必要としています。
概要
日時 2025年3月20日(木・祝)11:00~19:00(最終受付18:30)
場所 IKE・Bizとしま産業振興プラザ6階 多目的ホール
主催 女性による女性のための相談会実行委員会
後援 東京都/豊島区/第二東京弁護士会/日本労働弁護団/日本労働弁護団女性労働プロジェクトチーム
相談件数など
相談件数 116件
キッズルーム利用 11件
実行委員会スタッフと当日ボランティア 計81人
傾向
家庭内のトラブルについての相談が多い傾向があります。孤立しており、悩みを相談できる相手がいません。この社会には理不尽な賃金格差、雇用差別があります。女性であるがゆえに賃金は低く抑えられ、貯金ができず、若い人でも将来に大きな不安を抱えています。現在は支障なく生活できている場合でも、将来のことを心配して、必要なことにお金を使えません。未婚でも、離婚しても、親と生活していても、親の死後には身寄りがなくなってしまいます。経済面だけでなく、精神面でも生活が立ちいきません。孤立してしまうかもしれないと、自分の老後に不安を感じています。
相談事例
・40代 シングルマザーで、子どもと5人暮らし。生活が苦しい。家賃を優先せざるを得ないので食費に回せない。食料支援を受けるために来た。
・40代 産休育休中に夫のDVが始まった。夫も同時に育休をとっていたので、夫もずっと家にいた。夫のモラハラに耐えた。
・50代 派遣で働いていたが、若い人に優先的に仕事を回される。定年退職後の暮らしが心配。
・50代 年収が低いので住宅費が占める割合が大きく、携帯代も税金も滞納している。都営住宅に応募しているが、当たらない。日本には収入の低い中高年向けの施策が少ない。
・40代 精神疾患(自殺願望など)があるので、薬を飲みすぎてしまうかもしれないと医師から心配され、必要な薬を処方されていない。幻聴、幻覚もあり、夜にはパニックに陥る。
・20代 数年前から体調不良。原因が分からないが、頻繁に嘔吐する。親との関係が悪く、一人暮らしをするよう言われるが不安。
・50代 別居中の夫が生活費を出し渋っている。生活費が減らされると、自分が医療にかかることができなくなり、困っている。
・30代 ひとりでいるのが辛い。誰にも迷惑をかけずに死にたい。
・50代 生活保護での生活なので、栄養状態が悪く、生理周期も不安定。20年ほど体調が悪いままで毎日が辛い。
・年齢不詳 幼い子どもがいるが、夫が避妊に協力せず、常に再び妊娠する恐れがある。自分にはキャリアがあるが、仕事に復帰できない。
・70代 年金が少なく働かないとやっていけない。しかし、高齢のため働き口がない。
相談者から寄せられたコメント
・男性もいる相談会だと「つけ込まれる」かと不安だったが、女性だけだから来ました。それでもちゅうちょはありました。
・皆さんが親切にしてくれるので、最初から通っています。
・いろいろな食べ物があり、久しぶりに人と話ができて嬉しかった。
・強い不安感に苛まれている。おしゃべりがしたくて来た。
・聞いてもらえるだけでスッキリしました。