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1月相談会のご報告(第6回)

第6回女性による女性のための相談会の報告

女性による女性のための相談会実行委員会

 新型コロナウイルス感染拡大により可視化され、拡大した女性の生活苦は物価高騰で深刻さを極め、女性たちをさらに追い詰めている。生活困窮におちいったり暴力にさらされている女性や、誰にも悩みを相談することのできない女性はあとを絶たない。

 

 2023年1月21日、都内文京区で「女性による女性のための相談会」が開かれた。相談は83件で、相談者は10〜80代、働き盛りと言われる30代〜50代が多かった。

 

 家族に関する相談が多く、夫や両親との関係や、子どもの成長についての不安を抱えていた。夫が家計に協力してくれない経済的DV、夫が子育てに関心がない、子どもの不登校の問題などがあった。

 

 障がいを抱えている相談者も複数人おり、障がいを抱えていることで「仕事が続かない、仕事が見つからない」という訴えもあり、将来に対する不安を抱えている人が目立った。

 

 相談中に明言はしないが、家で待つ子どものために食料を持ち帰る人も見られ、物価高による深刻なダメージが推測された。

 

 年金が生活費の水準に達していないと見られる相談があったが、当人は他との比較ができず、問題化されない。あいかわらず暴力の訴えが多く、これらによる精神的不調や精神的障がいを抱えている人が少なくない。

 

 自分個人のことよりも家族へのケアの中で生まれる問題についての相談が多く、女性へのケア負担の重さが生活困難につながっていることがわかった。

概要

日時 2023年1月21日(土)10:30~19:00(最終受付18:30)

場所 文京区民センター 2A会議室(文京区本郷)

主催 女性による女性のための相談会実行委員会

後援 東京都/第二東京弁護士会/日本労働弁護団/日本労働弁護団女性労働プロジェクトチーム

 

相談件数など

相談件数 85件

キッズルーム利用 7件

実行委員会スタッフと当日ボランティア 計100人

傾向

・朝ごはんとして用意したおにぎりとパンが好評だった。すぐになくなり、3回(約80個)補充した。

 

・自分だけでなく、家に待つ子どものためにお茶菓子やおにぎりを持ち帰っていた。

 

・コロナで公共でくつろげる場が減らされたためか、相談が終わったあとにカフェでゆったり過ごす人が多かった。

 

・他人とのコミュニケーションに困難を抱える人が目立った。

 

・健康的な食生活を送れていないように見える人がいた。

 

・就職氷河期世代が多い。

 

相談事例

・40代 施設住まい。親からの暴力で精神不調。研究職だが不安定雇用で生活保護利用。生活費が足りない、安定的な住まいも仕事もない。

 

・70代 年金生活。別居している夫からの経済的暴力で生活費が足りないうえに、言葉の暴力もある。

 

・30代 無職。障害年金での一人暮らし。精神不調で人間関係がうまくいかず、離職。障害があるため仕事が続かない。就労支援での理不尽な対応により、傷ついた。

 

・40代 無職。20代よりパワハラ、セクハラなどの劣悪な労働環境。行政も組合もセクハラに対応してくれなかった。心身の不調で訪問看護を利用、働けない状態に。

 

・40代 正社員。コロナ禍で不登校になった子どもからの暴力。

 

・40代 正社員。保育園の空きがなくて育休を延長せざるを得ないが、雇用主が手続きを不備としたため、申請ができず育休手当がもらえない。

 

・40代 フリーランス。夫のモラハラが酷く来春から子供の教育移住のために夫と別居したいが、生活費の保証がなく不安。経済的DVにより、生活費も夫の気分による。減らされると困るので、もう少し働きたいが、難しい。

 

・50代 官公庁の期間職員。間も無く雇い止めに。氷河期世代で、正社員になったことがない。公募に応じるまでの半年、生活ができず、就活を始めたが難しい。病院も行けず、物価高で、今の状態が続くことに将来の不安が広がる。

相談者のコメント

・初めて来た。勇気を出して来てよかった。

 

・初めて冷たくない対応を受けることができた。

 

・役所に相談にいっても、おじさんが出てきて「あなたより不幸な人はいっぱいいる」と言われるばかりだった。